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【シリーズ第2回】噛みしめ・食いしばりとは何か
2026年1月26日無意識の力が自律神経と心身の不調を引き起こす理由
気づかないうちに「力」が入っていませんか?
- 歯を食いしばっていると言われたことがある
- 日中、上下の歯が触れていることが多い
- 朝起きると顎が疲れている
- 肩こりや頭の重さが抜けない
これらに心当たりがある方は、
噛みしめ・食いしばりが関係しているかもしれません。
噛みしめは、
自分ではほとんど自覚できない不調の原因
になることが少なくありません。
噛みしめ・食いしばりは「癖」ではありません
噛みしめや食いしばりは、
単なる「癖」や「性格の問題」と思われがちです。
しかし実際には、
- ストレス
- 自律神経の緊張
- 体の左右差
- 噛み合わせのアンバランス
などが複雑に関係した、
神経系の反応として起こっています。
「意識してやめましょう」と言われても、
簡単にやめられない理由はここにあります。
噛みしめが自律神経に与える影響
噛みしめが続くと、
体は常に「戦闘モード」に近い状態になります。
これは自律神経でいうと、
交感神経が優位な状態です。
その結果、
- 体が休まらない
- 呼吸が浅くなる
- 疲れが抜けにくい
- 気分が落ち込みやすい
といった不調が、
少しずつ積み重なっていきます。
なぜ無意識に噛みしめてしまうのか
噛みしめには、
「意識している噛みしめ」と
**「無意識の噛みしめ」**があります。
特に問題になるのは、後者です。
- 集中しているとき
- スマートフォンやPC作業中
- 緊張や不安を感じているとき
こうした場面で、
歯は軽く、しかし長時間接触し続けます。
この弱く長い刺激が、
神経系には大きな負担となります。
噛みしめと脳幹・青斑核の関係
噛みしめによる刺激は、
三叉神経を通じて脳へ伝わります。
その影響を受けやすいのが、
脳幹にある**青斑核(せいはんかく)**です。
青斑核は、
- 覚醒レベル
- 注意力
- 集中力
- 気分の安定
を調整しています。
噛みしめによる刺激が続くと、
覚醒が「高止まり」した状態になり、
- 常に緊張している
- 不安が抜けない
- すぐに疲れる
といった状態を引き起こしやすくなります。
噛みしめと認知機能・気分の関係
最近の研究では、
- 噛みしめの強い人
- 咬筋の使い方に左右差がある人
では、
- 処理速度
- 集中力
- 注意の持続
が不安定になりやすいことが分かってきています。
これは
「能力が落ちた」という話ではなく、
脳の回転数が安定しない
というイメージに近い状態です。
うつっぽさが抜けない理由の一つとして
うつ状態では、
- ノルアドレナリン
- BDNF(脳の回復力に関わる物質)
といった神経伝達のバランスが崩れます。
青斑核は、
これらの物質と深く関係しています。
慢性的な噛みしめが続くと、
気分が回復しにくい状態を
無意識のうちに作ってしまう
ことがあります。
噛みしめは「歯だけの問題」ではありません
噛みしめによる影響は、
- 顎
- 歯
- 筋肉
だけにとどまりません。
- 首・肩の緊張
- 呼吸の浅さ
- 睡眠の質の低下
など、
全身のバランスに関わってきます。
大切なのは「やめる」より「気づく」こと
噛みしめに対して、
最も大切なのは、
「やめようと頑張ること」ではなく、
気づくことです。
- いつ力が入っているのか
- 左右差はないか
- 無意識に歯が触れていないか
こうした視点を持つことが、
改善への第一歩になります。
こんな方は一度ご相談ください
- 噛みしめ・食いしばりを指摘された
- マウスピースを使っているが違和感がある
- 不定愁訴がなかなか改善しない
- 原因不明の不調が続いている
当院では、
「噛みしめを無理に止める」のではなく、
噛み方・力の入り方・左右差を丁寧に確認します。
口腔からの刺激が、
心身の不調に関わっていないか。
その可能性を一緒に整理していきます。
まとめ|噛みしめ・食いしばりと心身の不調
- 噛みしめは無意識に起こる
- 自律神経や脳幹に影響を与える
- 不定愁訴や気分の不調と関係することがある
- 気づくことが改善の第一歩