• よくある質問(患者さん向けQ&A)

    2026年1月23日

    東京 目黒区 顎関節専門医、都立大塚病院、亀田病院顎変形症専門外来医師が解説

    Q1. 顎変形症は遺伝ですか?それとも生活習慣ですか?

    A. 多くの場合、両方が関係しています。

    顎の形は

    • 生まれつきの骨格(遺伝的な体質)
    • 成長期〜大人になってからの生活習慣(呼吸・舌・姿勢など)

    この2つが重なって決まります。

    特に

    • 受け口(下顎前突)は遺伝の影響が強く
    • 出っ歯や下顎後退は生活習慣で強調されることが多い

    という特徴があります。

    Q2. 親が受け口ですが、子どもも必ずそうなりますか?

    A. 必ずではありませんが、なりやすい体質は受け継がれます。

    受け口は家族性が強いことで知られていますが、

    「必ず同じ顎の形になる」わけではありません。

    ただし

    • 成長期の口呼吸
    • 舌の癖
    • 姿勢の悪さ

    があると、遺伝的な傾向が強く出やすくなるため、

    早めのチェックと生活環境の調整がとても重要です。

    Q3. 大人になってから顎が後退した気がします。そんなことはありますか?

    A. はい、実際によくあります。

    下顎後退は

    「生まれつき」だけでなく、

    顎関節の変化によって後天的に進行することがあります。

    特に

    • 食いしばり
    • 姿勢不良
    • 顎関節への負担
    • 思春期〜若年女性に起こる下顎頭吸収

    などがあると、

    以前よりあごが引っ込んだように見えることがあります。

    Q4. 出っ歯は矯正だけで治りますか?

    A. ケースによります。

    歯の傾きが主な原因であれば、

    矯正治療だけで改善できることも多いです。

    一方で

    • 上顎の骨自体が前に出ている
    • 中顔面の骨格が原因

    の場合は、

    矯正だけでは限界があるケースもあります。

    そのため

    「歯並び」だけでなく

    骨格の評価がとても大切です。

    Q5. 顔の左右差は自然に治りますか?

    A. 成長期を過ぎると、自然に治ることはほとんどありません。

    軽い左右差は誰にでもありますが、

    目立つ非対称の場合、

    • 片側の顎関節の成長異常
    • 下顎頭の吸収や過成長

    が原因になっていることが多く、

    放置すると進行するケースもあります。

    「最近曲がってきた気がする」という方は、

    早めの診断をおすすめします。

    Q6. 生活習慣を直せば、顎の形は治りますか?

    A. 骨格そのものを大きく変えることはできませんが、悪化を防ぐことは可能です。

    生活習慣の改善でできることは:

    • 顎変形症の進行予防
    • 見た目の悪化を抑える
    • 矯正・手術後の後戻り防止

    特に

    • 口呼吸 → 鼻呼吸へ
    • 舌の位置の改善
    • 姿勢と噛みしめのコントロール

    はとても重要です。

    Q7. 手術が必要かどうかは、どうやって決まりますか?

    A. 骨格のズレの大きさと、症状の重さで判断します。

    判断のポイントは:

    • 見た目だけでなく噛み合わせ
    • 顎関節への負担
    • 発音・呼吸・咀嚼への影響
    • 矯正単独で改善できる範囲か

    • 顎変形症の機能研究から生まれたノザワメソッドは、下顎骨を本来あるべき位置へ導くことを可能にし、従来であれば手術が必要とされていた症例の一部を回避できるほか、術後の後戻りの改善にも対応できます。

    複数の選択肢を比較して決めることが大切です。

    Q8. 子どものうちにできることはありますか?

    A. あります。むしろ最も大切な時期です。

    成長期は

    • 顎の成長誘導
    • 呼吸・舌・姿勢の改善

    ができる貴重なタイミングです。

    「様子を見ましょう」で終わらせず、

    一度専門的な評価を受けることで、

    将来の治療負担を減らせる可能性があります。

    患者さんへのメッセージ(締め)

    顎の形は

    「遺伝だから仕方ない」でも

    「生活のせいだから自己責任」でもありません。

    大切なのは、

    **自分の顎が「どこまで生まれつきで、どこから生活なのか」**を知ること。

    正しく知ることで、

    治療も、予防も、選択肢が広がります。