• 🦴【顎関節症の常識が変わった】

    2026年1月18日

    東京 目黒区 顎関節専門医が解説


    〜実は“軟骨”より先に、骨がSOSを出していた

    顎が痛い・音が鳴る・噛むと疲れる…

    それ、顎の奥の「骨」からのサインかもしれません

    最近、こんな症状を訴える方がとても増えています。

    • 顎が痛い
    • 口を開けると「カクッ」「ジャリッ」と音がする
    • 噛むとすぐ疲れる
    • 顔の左右差が気になってきた

    歯科や整形外科を受診すると、よく言われるのがこの一言。

    「軟骨がすり減っていますね」

    ところが近年の医学研究では、

    **この説明が“必ずしも正しくない”**ことが分かってきました。

    実は、異常は「軟骨の下の骨」から始まっていた

    最新の研究が示しているのは、

    軟骨がすり減るより前に、

    その下にある“骨”で異常が始まっている

    という事実です。

    顎関節では、この変化が

    下顎頭吸収(condylar resorption)

    として現れます。

    顔のバランスの崩れ、かみ合わせの変化、慢性的な痛み——

    その背景にある「見えない変化」、

    それが 軟骨下骨(サブコンドラルボーン)の異常 です。

    まず知ってほしい重要なポイント

    関節の司令塔は「軟骨」ではなく「軟骨の下の骨」

    関節は、

    • 表面:軟骨
    • その直下:サブコンドラル骨(軟骨下骨)

    という二層構造になっています。

    この サブコンドラル骨 には、

    • 骨を作る細胞
    • 骨を壊す細胞
    • 血管
    • 神経

    といった重要な要素がすべて集まっています。

    つまりここは、関節の“制御センター” なのです。

    【STEP1】最初に起きるのは「骨が弱くなる」こと

    噛み合わせの偏り、強い負荷、もともとの骨の形態などが重なると、

    まずサブコンドラル骨にダメージが生じます。

    • 目に見えない小さな骨折
    • 骨細胞のダメージ
    • 骨を壊す細胞の過剰な活動

    その結果、骨の内部はスカスカになり、

    下顎頭吸収の“スタート地点” となります。

    👉 この段階では

    レントゲンでは異常が分からないことも多い

    というのが厄介な点です。

    【STEP2】本来ありえない場所に「血管」が侵入する

    弱った骨を修復しようとして、

    体は新しい血管を作り始めます。

    しかし——

    軟骨の世界では「血管は入ってきてはいけない」

    という大原則があります。

    ところが、

    • 弱った骨
    • 過剰な修復反応

    によって、

    血管が軟骨のすぐ下まで侵入してしまうのです。

    【STEP3】血管と一緒に「炎症」が広がる

    血管が入り込むと、

    炎症細胞やさまざまな物質も一緒に運ばれてきます。

    その結果、

    • 骨が溶けやすくなる
    • 逆に、必要以上に硬くなる
    • 関節内に炎症が起きる(滑膜炎)

    といった “骨の暴走状態” が起こります。

    このあたりから、

    • 顎が痛む
    • 違和感が続く
    • 動かしづらい

    といった症状が出始めます。

    【STEP4】決定的な問題:痛みを感じる「神経」が伸びてくる

    最大の問題はここです。

    血管が伸びてきた道をたどって、

    痛みを感じる神経までが侵入してくる のです。

    本来、軟骨には神経がありません。

    だから健康な関節は痛くない。

    しかしこの状態になると、

    • 噛むとズキッと痛む
    • 顎の奥が響くように痛む

    といった 骨由来の痛み が生じます。

    現代の顎関節症・変形性顎関節症の新しい理解

    最新の医学研究をまとめると、流れはこうなります。

    ✔ 最初に壊れるのは「軟骨」ではなく「骨」

    ✔ 骨が弱ると血管が侵入する

    ✔ 血管が炎症を呼び込む

    ✔ 神経が伸びて痛みが慢性化する

    ✔ 軟骨は“後から”巻き込まれて壊れる

    つまり——

    顎関節症・下顎頭吸収は

    「軟骨の病気」ではなく

    「骨の病気」として理解するべき

    ということです。

    まとめ|顎関節症の見方が変わる5つのポイント

    1. 問題の出発点はサブコンドラル骨
    2. 骨の異常が血管侵入を招く
    3. 炎症と骨代謝の暴走が起こる
    4. 神経が侵入して痛みが慢性化する
    5. 軟骨の破壊は“結果”である

    この視点で治療やケアを考えると、

    顎関節症の理解は根本から変わります。

    顎の痛み・違和感でお悩みの方へ

    「軟骨がすり減ったから仕方ない」

    そう言われて諦めていませんか?

    実は、

    もっと早い段階で気づけるサイン があり、

    アプローチの仕方も変えられる可能性 があります。

    顎関節の不調でお悩みの方は、

    ぜひ一度ご相談ください。