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筋筋膜性疼痛症候群とは?
2026年1月18日― なぜ顎や首の痛みは何年も治らないのか ―
顎が痛い」「首や肩のこりがずっと取れない」
そんな症状に、何年も悩まされていませんか?
実はその痛み、筋肉そのものではなく“筋膜”が原因である可能性が、近年の研究で明確になってきています。
痛みの本当の原因は「筋肉」ではなく「筋膜」
私たちは長い間、
コリ=筋肉が硬くなっている状態
だと考えてきました。
しかし現在、慢性痛の研究で注目されている主役は
**筋膜(fascia)**です。
筋膜とは?
筋膜とは、筋肉を包み込み、
全身をボディスーツのようにつないでいる薄い膜組織です。
筋膜同士の間では
ヒアルロン酸が潤滑油の役割を果たし、
本来はスムーズに滑っています。
なぜ筋膜が硬くなるのか?
以下のような要因で、
ヒアルロン酸がサラサラ → 高粘度のゲル状に変化します。
- 長時間の同じ姿勢
- 噛みしめ・歯ぎしり
- ストレス
- 炎症や血流不良
その結果、筋膜は
- ゴワゴワに硬くなる
- 厚くなり滑らなくなる
- 柔軟性を失う
この状態が、筋筋膜性疼痛症候群の始まりです。
たった一枚の膜が、なぜ強い痛みを生むのか?
硬くなった筋膜は、次のような問題を引き起こします。
- 神経を圧迫する
- 血管を締めつける
- 感覚センサー(侵害受容器)を刺激する
さらに筋膜内部では慢性炎症が続き、
痛みの信号が出っぱなしの状態になります。
👉 小さな火種が消えず、
👉 痛みが何年も続く悪循環が完成してしまうのです。
「筋膜の異常」は見える時代になった
近年は
超音波エラストグラフィーにより、
- 筋膜の硬さ
- 滑走不良
をリアルタイムで可視化できるようになりました。
患者さん自身がモニターを見ながら
「ここが動いていない」
「ここが硬い」
と理解できる時代になっています。
なぜ痛みは広がり、慢性化するのか?
痛みが長期間続くと、
脳と脊髄の痛み調整システムが過敏になります。
これを
中枢性感作と呼びます。
すると…
- 軽い刺激でも強い痛みを感じる
- 痛みが広範囲に広がる
- 睡眠障害・不安・生活の質低下
といった状態に進行します。
これからの慢性痛治療は「三位一体」
筋筋膜性疼痛症候群の改善には、
次の3つを同時に行うことが重要です。
① 筋膜への構造的アプローチ
(リリース・徒手療法・物理療法)
② 運動による機能回復
(正しい動き・再発予防)
③ 神経・心理への調整
(痛みの過敏化をリセット)
👉 どれか一つだけでは、慢性痛は改善しません。
まとめ|慢性痛の正体とは
慢性の顎・首・顔の痛みの正体は、
筋膜 × 神経 × 心理
この3つが絡み合って生じる
複雑な生態系です。
筋膜の健康は、
これからの医療において
全身の健康と幸福度を測る新しい指標になるかもしれません。