-
噛みグセがゆっくり刻む“鼻の変化”
2025年11月27日─ 中年女性こそ知っておきたい、顔の物語 ─
「最近、鼻まわりが変わってきた気がする…」
そんな小さな違和感の裏には、実は “噛み方のクセ” が深く関わっています。
鼻の広がり・下がり・左右差は噛みグセや咀嚼筋の偏りが原因のことがあります。中年女性に起こりやすい鼻まわりの変化と、噛む習慣との関係を、口腔機能、顎関節専門医専が解説します。
⸻
【目次】
1. 鼻は「生きた構造物」
2. 噛みグセが鼻の印象を変える理由
3. 解剖学から見る“鼻と顔の連動”
4. 中年女性に変化が出やすい理由
5. 鼻まわりの変化パターン
6. 美しい鼻への近道は“噛み方”にある
⸻
1|鼻は「生きた構造物」
鼻を形づくるのは以下の複合構造です。
• 鼻骨・上顎骨・前頭骨・頬骨
• 大鼻翼軟骨、小鼻を支える靭帯
• 表情筋、皮膚、脂肪
• 噛む・話す・表情をつくる日常の使い方
つまり鼻は、周囲の筋や骨の変化を敏感に反映する、動的な構造なのです。
⸻
2|噛みグセが鼻の印象を変える理由
「片側で噛むクセ」「噛み締め」「歯のトラブル」を放置すると…
1. 左右どちらかの咬筋が過活動
2. 顎関節のバランスが偏る
3. 骨・筋・靭帯の張力が不均一になる
4. 顔の重心がずれ、鼻の印象まで変化
具体的には、
• 片側の張り → 鼻が横に広がって見える
• 支えの弱い側 → 鼻先が下がって見える
• 鼻孔の左右差が強調される
という“鼻の変化”が時間をかけて刻まれます。
⸻
3|解剖学で見る“鼻と顔の連動”
● 鼻翼上唇挙筋
小鼻と上唇を持ち上げる筋。張力の偏りで小鼻の高さに左右差が生まれる。
● 頬骨筋(大・小頬骨筋)
笑顔をつくる筋。頬のボリュームが小鼻横の影に影響。
● 口輪筋
口の動きにより鼻翼・鼻柱の張力が変わる。
● 咬筋・側頭筋
鼻に直接つかないが、顔全体の軸・張力バランスを変え、鼻の印象を左右する。
● 靭帯・骨の変化
鼻柱靭帯がゆるむと鼻先が下がり、
上顎骨や頬骨のボリュームが減ると「鼻が長く見える/短く見える」が起こる。
⸻
4|中年女性に変化が出やすい理由
• 皮膚のハリ低下
• 軟骨・靭帯の支持力低下
• 咀嚼筋・表情筋の使い方に偏りが出る
• “片側咀嚼+噛み締め”の蓄積が見た目に現れやすい
この年代は、鼻の形・位置・影が変わりやすい時期。
特に気づきにくい“嗜癖(クセ)”が大きな影響を持ちます。
⸻
5|鼻まわりのよくある変化パターン
• 小鼻横の広がり:片側の頬の張りが横へ押し、小鼻が広がって見える
• 鼻先の下垂・長く見える:靭帯の緩み+下顎のたるみ
• 鼻孔の左右差:骨・筋・靭帯の差
• 鼻の軸ずれ:顎関節の偏りにより、鼻が斜めに見える
⸻
6|鼻を整えたいなら、“鼻以外”を見ることが近道
鼻の印象は、鼻単体の問題ではなく
噛み方・咀嚼筋・顎関節・表情筋・骨の土台 によって大きく変わります。
だからこそ、まず整えるべきは
噛みグセ・顎の使い方・頬や口まわりの筋のバランス。
鼻は“顔全体のストーリー”を映し出す鏡なのです。
⸻
【まとめ】
鼻の変化に気づいたら、
鼻だけをケアするのではなく “噛む習慣”から見直すことが最も効果的。
ゆっくり蓄積したクセを整えることで、鼻と顔全体の印象は自然に変わります。